見た目はおっさん、中身もおっさんの漫画紹介

漫画、アニメ、ニュースが気になる普通のおっさんが漫画を独断と偏見で紹介します。

【第3作】 皇国の守護者 原作:佐藤大輔 画:伊藤悠

3作目は、「皇国の守護者

原作:佐藤大輔 漫画:伊藤悠

 

 んん、三作目、この漫画はんんん、いい漫画なんですよ、いい漫画なんですが、すでに途中打ち切りの上、絶版してります・・・。なんでやねん!!

 

さて、本作皇国の守護者佐藤大輔先生の同名小説を伊藤悠先生が漫画化した作品ですが、佐藤氏は小説家として仮想戦記物が多い印象の方ですが、ネットでは批判等もあり賛否が分かれる方のようで・・・、本作の打ち切り原因もうわさ程度で・・・。いや読者としては理由はどうあれ、継続してほしかったが・・・。

本作は仮想戦記物でありファンタジー要素もありとなっていますが、設定などは細かく、原作もよみごたえがあるのではないかと思います。(原作読んでへんのかい!!)

 

設定は、仮想の日本のような島国(形もそっくり)、時代は大体明治ぐらいかな・・・いや、もうちょっと前、幕末頃・・(銃器を見て判断・・・。民間人は着物、軍人は洋服みたいな感じ・・。)

ミリオタとしてここで、少しだけ銃器解説

皇国の守護者で出てくる主力の銃は先込め式のフリントロックの滑空銃(マスケット銃)、現実世界ではブラウンべスとか、18世紀ごろに主流となった銃ですね。

↓こんなやつ・・。

 

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こいつ突然何言ってるねん・・・と思われた方、ごめんなさい。

求められなくても、詳しく解説すると・・・・

先込め式・・・。火縄銃みたいに1発づつ銃口から火薬と玉を入れて、棒で押し込むタイプの装填方法

フリントロック・・・。火打石をぶつけることで発生する火花で着火(撃発)させるタイプ(火縄銃は、マッチロックといいます。)

滑空銃・・・。銃身がただの筒。正確には、ただの筒ではないんだか・・・溝ないタイプ(溝があるのはライフル、本作では一部ライフル銃も出てきます。)

連射性が低く、射程も短いので、使用は密集体系で指揮官の号令で一斉発射が定番の銃です。(ヨーロッパでは戦列歩兵と言い日本では長篠の戦とかが有名でね)

この銃自体は、日本には幕末の少し前ぐらいかな?に入ってきた銃です。

 

さて脱線もほどほどに・・。

本作のファンタジー要素としては、世界観が独特で、人語を話す龍が存在しており、人間と龍との間の条約が世界のルールみたいになっている世界に、北方の帝国が、島国の皇国があり、皇国にはトラのような獣を飼いならし兵器(軍用犬?)として利用したり、額に銀板を埋め込み道術(テレパシーのような通信)が行る兵隊がいたり、翼竜に乗って偵察をしたりと特に動物(空想)に特化した印象の作品です。

科学力は、蒸気機関が最新技術として軍艦に使用されたり、前述のライフル銃が最新兵器だったり・・・(やっぱり、現実世界ではペリーが来日する幕末ぐらいですね・・・)

 

戦記物の醍醐味の戦闘は、集団戦法の会戦、遅滞戦、遊撃戦、河川防衛戦、野戦築城

 そこに、独自の世界観の猫と呼ばれる獣、歩兵と併せて突撃し敵兵を蹴散らす姿、イヤぁ・・。戦場でトラに襲われたら・・・。全力で会いたくないわ・・・。

 

そして登場人物が皇国軍の下級将校の新城直衛これまた、漫画などに出てくる「英雄」という高潔なものではなく、とても人間臭い、それも戦場という極限の中での人間味・・・逆に卑しい類に近いものが描かれていて、無双の強さも、チートな能力もなく、軍隊の中間管理職(自分では決められない運命を呪うような卑屈な精神の中)自分の責任(部下の生命や自分の生命)に対して、精一杯最善の方法を探す姿に、上司にはしたくとも、友人にはしたくない複雑な共感を覚える人物です。

 

画の方も、精密さというよりは、癖のあるが画風でもあるものの、戦闘シーンは騎兵歩兵猫。。。を問わず迫力のある躍動感の感じる画風で、ところどころに出てくるアイテム(大砲やテント、糧秣など)も時代背景を表現するいい感じになっている作品です。

 

北の大地で、強大で天才的な指揮官の指揮する敵軍に、孤軍奮闘する皇国軍の苦労と、物語の設定を反映した戦闘の推移と人間模様(成長?)が楽しめる作品です。

 

 

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