【第21作】 テンジュの国 著者:泉一聞
第21作目は 著者泉一聞先生の「テンジュの国」
この作品との出会いは、まさしく突然で、運命の出会いってやつでした・・・。
※いや、異性との運命の出会いは全然ないんですけどね・・・。
私の習慣というべきか、ライフワークというか、趣味というか某大手古本屋で目的もなく、本棚をくまなく物色していると・・・。
おっ、この背表紙は・・・。好みのタイプじゃないか!!
「エマ」とか、「空挺ドラゴンズ」、「ふじぎの国のバード」とかと同じタイプの表紙の材質(厚手の紙で表面がざらざらしている和紙みたいな感じ)!!青年漫画の中でも、社会派であったり、史実系であったり、私で言う知識系の漫画が多いかな・・・。
イメージ的には落ち着いた感じのストーリ展開が多いかな?
本作は、18世紀ごろのチベットが舞台!!またニッチな時代と地域・・・。でも知らない世界に触れる楽しさが好きなんですよね!!
チベットなんて、昔子供のころに見た映画・・・確かブラットピットが主演だったかな・・・。の印象で、鎖国的な国なんだなっと思った程度、あとは、中国に侵攻されたとかダライラマのイメージしかない、つまりは・・・。よく知らない国!!
そんな未知の、山岳地域の大自然と特有の厳しい生活の中で、まだ科学が発達していない時代、医術の家系の主人公が周囲の人々の幸福のために、日々薬草と、治療にまい進する青年が、家族や、住民と関わる日常を描いた作品です。
医療と言っても、この時代のチベットは、西洋医学もなので、経典(呪いに近いけど経験則でこれまでの経験が記載されているようなイメージかな・・・)と薬草学で行われる、どちらかというと、東洋医学で昔方農耕や牧畜のイメージのあるチベットではバターとかをよく使うんだなっと・・・。
そういえば映画でもバター茶とか飲んでたっけ・・・?
話自体は、まぁ、大きな事件があるわけでもなく村の日常と、家族とのやり取りが続く、漫画としては少し変化の少ない感じですが、逆にほのぼのとして安心して読み進められる感じです。
作画は、チベットという、服もて建物も細かい装飾が施されている中で、とてもよく表現されていて、特に、家の中は、映画や、ニュースなどでしか見たことはないけど、開放感とは真逆の、なんというか、穴倉というか、秘密基地というか・・・。少し狭めのいい意味での圧迫感が感じれるいい雰囲気が出ている作品です。
薬草などは、もう少し知識を入れてもよかったかもしれないけど、あとがきなどでの異文化の解説などはとても興味深い作品です。