【第30作】 モンテ・クリスト伯爵 原作:アレクサンドル・デュマ 画:森山絵凪
第30作目は モンテクリスト伯爵
最近は、ちょくちょく古本屋で見かけるようになってきましたモンテクリスト伯爵・・。
この作品は、フランス人作家のアレクサンドル・デュマ・ペールの「モンテクリスト伯」という小説が原作のコミカライズ版
日本では「巌窟王」という題名で知られているかもしれないですね。
※本当かウソなのか、原作はフランスで実際にあった復讐劇を題材にしているとか・・・。
これまでも、ドラマや映画、漫画も数多く作られていた作品で原作自体は比較的有名な作品ですね。私は、巌窟王というとやっぱり、ジェラールドパルデュー主演の「巌窟王」のドラマですね。※子供ながらに面白かった!!
日本でも、最近ドラマで、現代版にリメイクされたものがディーンフジオカ氏主演で放映されてましてね・・・。
それにしても、フランス人って、「鉄仮面」も、「三銃士」も「巌窟王」も何とも政略や復讐劇とか好きだな・・・。
まぁ、そいう時代と言えばそういう時代なんですが・・・。
伯爵とか伯というのもこの作品の時代を表してる感じに一役買ってますね!!
現代日本人にはわかりにくいものの「公候伯子男」という爵位の一つで、「伯爵」はよく貴族を表現するためのアイコンとして使われますよね・・・。
※ 宮崎駿監督のカリオストロの城の貴族も伯爵だったよな・・・。ほかにも爵位には騎士伯とか、辺境伯とか各国の爵位の歴史によってもいろいろとあるようで・・・。「辺境伯とは・・・」別で書こう・・・。
さてさて、本作は、友人たちに謀略によってはめられて人生のどん底にいる主人公が、とある偶然から大金をGetして、その復讐を実行するというストーリーですが・・・。
※ あれ、偶然大金を入手して復讐するとかどこかのエリア88でも聞いたような・・・。
でも流石はフランス文学のベストセラー作品だけあって、復讐劇が単純な話ではなく、する方もされる方も、この感情表現が秀逸で、変化がまた人間臭いというかなんというか・・・。
主人公にも葛藤があったり、お金と権力や名誉といったもので人がいとも簡単に裏切ったり自己保身に走ったり、人間の汚い面がとても複雑に絡み合って表現されているところが面白い部分だと思うんだけど。。。
作画は、とても華やかで絵画の一遍を見ている様な雰囲気が、私の勝手なフランス感(煌びやかな感じ)を感じられ、また、人間の負の部分というか闇の部分が登場人物の表情によく表れている感じがします。ほんと人間が絶望した時の表情が秀逸!!
あとがきにもあるように、名作の長編小説を1冊の漫画に収録するというとてつもない編集と企画力、途中削除しすぎると作品の良さがなくなるし、と言っても一冊に抑えられてこのクオリティは名作に触れるいい機会になると思います。