【第7作】 獣医ドリトル 原作:夏縁 画:ちくやまきよし
7作目は、獣医ドリトル
有名な児童文学の名作、著:ヒュー・ロフティングの「ドクター・ドリトル」からの着想とわかる作品名!!でも、基の設定とは違いファンタジー要素はなしですね。
※ 動物と話せるとかの超能力設定はなし。いや、その勤勉で優秀な能力から実質話せているのと同じかな・・・。
本作は主演小栗旬さんで、ドラマ化されていたりしているので、ご存じの方もいるかもですね。
主人公は、開業獣医師、動物にやさしく、人にやさしい、心優しい獣医師という我々の勝手なイメージ(いや、そんなイメージあるのか?)を 覆す??冷徹、冷酷、守銭奴、と表現される獣医!!捨て猫を拾った小学生にもウン十万円請求したり・・・。
いや、心優しい獣医はいないくとも、ここまで徹底的に子供にまでと、実際そんな獣医居たら少し引くな・・・。でも、そもそも獣医が優しいって・・・。経験上なかったな・・・。
実家で犬や、猫を飼っているときはよく怒られたな・・・。とてつもない独断と偏見ですが、飼い主を怒る(注意)できる獣医さんは信頼できる獣医です。独断と偏見でも、真理かも・・・。
さて、本作の獣医は、声なき声を発する動物の気持ち(症状や行動)を読み取り、治療していく姿・・。いや、そもそも、ペットが病気や生活習慣の異変に気付きその原因である飼い主の行動や、接し方(命への責任)と言って物を深く考えさせられる作品です。
ペットは、人間社会で生きていくため、飼い主の責任(関与)がとても大切であり、本作では保護者ともいわれます。
そうですよね。ペット言えども動物で、野生で暮らしている動物と何が違うのか?というと、人間社会のルールの中で生活しているのとしていないのとの違いだけでほかは同じなんですよね・・・(動物の種類にもよるけど・・・まぁ、動物にしたら人間の法律や習慣なんてしらんがなといった感じですかね?)
この作品では、犬猫のメジャーなものだけでなく、最近話題の蛇や、ハムスター、アライグマなどのエキゾチックアニマル(この作品で覚えた言葉・・・)や、それらを介した、外来種の問題や、種の保存、動物園の役割等、一見一般人では気が付きにくい動物に関わる様々な問題や役割も見えてくる社会派の作品となってます。
画の方は、特に手術などのテクニカルな部分はなくとも、その難しさや、動物の医療という複雑な環境が言葉(患者や関係者への説明という形)で伝えられており、素人でもわかりやすい作品(少々文章が長いと思う人もいるかも・・・)です。
また、回を重なるごとに増える烏丸医師の周りの関係者とのコミカルなやり取りの中にも、シリアルな問題を提起したり、登場人物の心境の変化や、関係性の変化などの楽しく描かれてます。
動物好きには楽しくまた、とても大切な様々な問題のとっかかりにもできるのではなないでしょうか?
社会派としてもいい作品だと思います。